「さくらのもり」で考えた。

社会福祉士が、福祉や社会保障についていろいろ考えてみるブログです。

ハンセン病つながりで

ひょんなことから。

 

その1 黒川温泉事件のとき、ハンセン病と温泉というのは親和性があったような、となんとなく思っていました。

 

その2 群馬県社会福祉の歴史を調べていて、草津温泉の聖バルナバ・ミッションのことを知りました。

 

その3 地域包括ケアについて調べていて、猪飼周平先生にたどりつきました。プロフィールで猪飼先生のお父さんが、Wikipediaに載っていると書いてあり、(ご本人はまだ項目がない?)調べてみるとこれが猪飼隆明先生でした。

そこからハンナ・リデルに行きつき、強制隔離問題の報告書の存在を知りました。

 

この報告書がとても面白い(というのは元患者の方には失礼ですが)、というか、ためになります。

現在、社会福祉がかかえているすべての問題が、日本のハンセン病患者がたどった歴史に含まれているといっても過言ではありません。

 

黒髪校事件などというのは、1954年に起こっているのですが、ハンセン病患者の子どもの通学に反対するPTAが「同盟休校」をしてしまう事件、つまり、その子どもたちが通学できない様に学校をPTAがロックアウトしてしまう事件なのです。

アメリカ公民権運動のリトルロック高校事件が1957年ですから、それより3年も早くこうした事件が日本で起こっていたことに驚きました。

しかも、そのときそもそも在日朝鮮人・韓国人の子どもは通学する新入生のリストに入れてもらっていなかった、という事実もあるようです。

 

報告書はPDFで全文落とせます。1,000ページ以上あると思いますがとにかく読む価値のある物です。おすすめです。

 

ハンセン病と現在の社会福祉の抱える問題を真剣に考察すると、たぶんあと10年とか20年とかかかってしまいそうなので、ほんのすこしだけ次回考察してみます。